FPSを分析する項目を考える

 ゲームの批評でもしようかなと思った。ビデオゲームの美学を読んで感動したものの、何に感動したのか全部忘れてしまった。それに、批評するほどゲームをやってない。今回は雑に、FPS(TPS含む)あたりの要素を取り上げていきたい。

やってきたゲーム

全てのFPSに共通する撃ち合いに関して

 これは単純に銃を使った撃ち合いを指す。FPSの最も面白い場面が撃ち合いであり、この撃ち合いを有利に進めるために<勝てるポジション取りをしたり、スキルを使ったり道具を使ったりする>というのがFPSの基本である。そして、それぞれのFPSゲーム固有の事情を無視しても差が出るスキルが存在し、キャラコン(WASDをベースとしてキャラクターを思い通りに動かす力)やエイム力、リコイルコントロール(銃の反動を押さえる力)などが含まれる。この中でキャラコンは多少それぞれのゲームの仕様によって事情が変わる。例えばリーンという首を傾ける操作は仕様としてできないゲームが多い。

勝利目標

 何をもってクリアとするかである。要はジャンルである。ジャンルごとに特徴がある。

チームデスマッチ

 単純に撃ち合う。最もシンプルであり、KPM(Kill per minute:1分当たりのキル数)が多いゲームである。チームごとのキル数で相手チームを上回る、あるいは指定のキル数に早く到達することで勝利となる。一般にカジュアルに撃ち合うFPSジャンルとされる。旗取り系も勝手にこれに入れている。

ボム

 片方のチームが爆弾を設置し、目標を破壊する。もう片方は設置を阻止するか、設置された爆弾を解除することで勝利となる。必ずしもキルは必要ではなく、撃ち合いがほとんど生じずに1ラウンドが終了するケースもある。マップ理解が強く求められ、キャラや武器性能が変わらなくてもメタが回りやすい傾向にある。

バトルロワイヤル

 最後まで生き残っていれば勝利となる。最もKPMが低く、一度の撃ち合いのバリューが高い。多くのゲームでは撃ち合いに勝利して相手を倒すと相手の物資を漁ることができる。また、相手を倒したものの別の人に参戦されて倒されたり物資を奪われる<漁夫>という概念が存在する。そのため、撃ち合いの場面を自分で取捨選択することが強く求められる。

FPS,TPS

 これは一人称か三人称かを指す。一人称はそのままだが、三人称であるTPSゲームは視点を個別に動かす手段が存在するケースが多い。そして三人称には一人称と比べて<一方的に敵を視認しやすい>という特徴がある。壁際にポジションを取って視点を動かしたり、丘の上にいたりすると起きる。一人称の場合、丘の上であれば三人称視点同様に有利に撃ち合うことはできるものの、一方的に視認することはない。よって、一人称よりも有利なポジションを如何にとるかが勝敗を左右する。

TtK(Time to kill)

 撃ち合いが始まった時に、どちらかがデスもしくはダウンするまでの時間である。一般的には時間ではなくアサルトライフル系の弾数でカウントされる。ヘッドショットで一発、胴体で3~4発といったケースが多い。Apex Legendsなどは14発近く必要であり、TtKが非常に長いゲームである。TtKによって立ち回りが変わり、特にクリアリング(敵がいないか確認する)に対する労力が異なる。TtKが短いゲームでは<相手より先に銃を撃つ>ことが非常に重要であり、小さいスケールでの<相手がどこにいるかの情報>が重要になる。一方TtKが長いゲームでは、ダメージレースに勝つことが重要になる。ApexLegendsで言うと、先に相手を一人ダウンできるかどうか、あるいは相手に先に攻撃されても、削られたプレイヤーが戦線から逃げることができるかといったことが撃ち合いの勝率に強く作用する。

スキル、ガジェット

 ゲームによって異なるが、相手の位置情報をスキャンしたり、体力を回復したりといった、それ自体は撃ち合いではないが、撃ち合いを有利にする能力のことを指す。特別な銃が使えるといった、それ自体が撃ち合いに近いものも存在する。

情報系

 カメラであったり、スキャン効果によって敵の位置を把握できる能力である。あるエリアに敵がいるかいないかを把握することで立ち回りを有利にするタイプのものや、寸分狂わず相手の位置を把握できることで非常に有利な撃ち合いをできるようにするもので事情が変わってくる。

回復系

 減ったHPを回復したり、一時的にHPを増強したりする。スキルの有効性はTtKと強く相関があり、即死するようなゲームでは有効に使うのが難しい。HyperScapeで全体的に武器を弱体化すると、使われなかったヒールのスキルが使われるようになるというような事例もある。

罠系

 設置し、相手が通過することで何らかの効果を及ぼすようなもの。相手が通過することを把握できるようなケースが多く、この場合はある種の情報系ともいえる。情報系と違い、一度設置してしまえば複雑な操作などが不要である。

移動系

 本来いけないところに行けるようになったり、射線を切って自分の行きたいところに行くといった様々な特徴がある。立ち回りに選択肢を与えるケースが多く、そのスキル自体が直接撃ち合いを有利にするケースは少ない。

投げもの

 グレネードであったり、フラッシュバンなどである。グレネードは相手を強いポジションからどかすのに用いる。フラッシュバンは相手の視界を奪うものであるが、レインボーシックスシージでは自分の動作音を消したり、投げ物を吸収する相手のガジェットを無効化するのに用いられる。

 銃である

サブマシンガンアサルトライフル

 ボタンを長押しすると連射される基本的なタイプである。DPS(damage per second:1秒当たりのダメージ量)が高く、武器によって得意なレンジが異なる。

スナイパー

 単発であり、遠距離武器である。基本的には遠距離が有利な武器ではあるが、一撃必殺の場合はその限りではない。その場合はサブマシンガンアサルトライフルと違って<当たるか当たらないか>の二択になり、当たらない時のデメリットが大きく、チームで削って倒すという方針が立てにくくなる。

ショットガン

 近距離であれば圧倒的な火力を持つ。<撃って下がる>を瞬間的に行って撃ち合うことが多く、この戦術をとることで被ダメージ量を最小限に抑えることができる。純粋な正面での撃ち合いではむしろサブマシンガンにDPSで劣るケースが多い。

あとがき

 というわけで自分の中にあるなんとなくのFPSに関する知識を整理した。気が向いたらそれぞれのFPSの面白さや敷居の高さなどについて語ろうと思う。