ゲーム開発者が「BlenderリアルタイムCGキャラクター制作入門」をやってみた

 読書感想文ブログになりつつある今。意外とブログに残しておいて後から参照しなおすことはまあまぁあるので、記録を残しておく。

 ちなみに私はBlenderは初心者ではない。なんども入門に成功している(つまりほどほどやって諦めている)。なのでモデリングの基本操作(ループ/カット/押し出し)は抑えているという感じ。

モデリングはじめ

素体

bone

衣装

テクスチャペイント

などなど。

良かったところ

 「メッシュの流れをどういう意識でモデリングするか」というところの解説が手厚かったのがよかった。方法論的なところはインターネットで情報が出てくるが、真似してやってみても「なんか違う......」となりがちだった。そういう経験のある人にはオススメ。この本では意識するラインが図示されていて、ある程度モデリングした後の調整パートも章として解説があるので、そのあたりを参考にするとだいぶ見通しが良くなった。

 また、VRChatで動かすまでを一気通貫でやるので、3DCGのキャラクター制作についてかなり見通しが良くなった。結果的にはUnity力も上がったと思う。

学んだことなど

モデリング

 モデリングはだいぶ慣れてきた。この本では目から作るスタイルなのだが、これは結構良い。断面図から拡張したり、四角から作ったりいろいろ派閥はあるようだが、このやり方はかなりしっくり来た。以前ネットに落ちている記事を参考に作ったときは断面図から横に広げていく作り方で挑戦したのだが、目元口元あたりのメッシュをどうするかずいぶん悩んでしまったことがある。なので、悩む目元から作るというのはかなりやりやすかった。

頂点ウェイト

 この本ではウェイトペイントではなく頂点に直接パラメーターを指定する形でウェイトを付けていく。ローポリならではのやり方なのかなぁと思った。最終的にはウェイトペイントに落ち着きそうだが、このやり方はboneを動かしておかしいなと思ったときに原因を見つけて修正しやすいので、「ウェイトとは何か?」を体感的に理解する上では良いアプローチだと思った。

Unity Humanoid

 名前は知っていたが使ったことがなかった。これはかなり便利である。キャラクターのリギングは、「関節をどの範囲で曲げるか」といったことを逐一設定しなければならず、大変な作業なのだが、Unity Humanoidではその作業を省略できる。Unity Humanoidは「人間の体ってみんな作りおんなじだから、汎用のリグをこっちで用意すればよくね?」という思想のフレームワークで、boneの命名をそろえるだけでいい感じにキャラクターを動かすことができる。Unity Humanoid対応のアニメーションであれば自分の作ったアバターにそのまま適用できるので、とても便利。もちろんクオリティ的に今一つ物足りない部分もなくはないのだが、個人製作レベルではこれ一択と言っても良いのではないかと思った。

Unity Humanoidの表現力を拡張する話としてはこの記事を参照 technote.qualiarts.jp

UV展開

 ムズイ。モデリングと違って初めてということもあってかなり難しかった。エンタクというYoutubeの動画を見ながら、今後は以下の方式でやっていくのがいいかなと思った。 www.youtube.com

  • 基本Substance Painterみたいな3Dテクスチャリングツールを使う。そうするとUV展開を頑張らなくても大丈夫になる。今はもうそれで大体大丈夫らしい
  • 衣服だけは頑張ってUV展開する。Seam(縫い目)の入れ方は現実の衣装の型紙を参考にする。実際の衣服も型紙通りに布を切り取ってそれを縫い合わせて作るので、3DCGでのUV展開と型紙は一致する

AO(アンビエントオクルージョン)

 今回読んだ本ではAOを直接テクスチャに焼きこむという不思議な工程をやっていた。不思議というのはAOというのは今のご時世ゲームエンジン側でやるもので焼きこむ話なんて聞いたことがないからだ。調べてみるとVR環境のAOは非常に不安定で不具合のもとになるので、AOについては機能を切ってることがほとんどらしい。だからテクスチャに別途焼きこむことで質感を落とさないようにしているという話

まとめ

 キャラクターモデラーになるわけではないのでいろいろスキップしながらやっていった。フローをするだけでもいろいろと勉強になった。実際にUnityで動かす段階になったときはエンジニアが面倒を見る場面も出てくると思うので良い勉強になった