ビデオゲームの美学を読了した

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読了報告。理解しきれているとは言えないが、ある程度流れを押さえることはできたと思う。

小説に関してはナラトロジーをベースにした研究が盛んにおこなわれており、少なくとも近代小説家の研究は多くの例があるのに対し、ビデオゲームに関してはどうも発展途上そうなことが分かった。以前ナラトロジーの本を読んだ時は、実際に作品を取りあげて、分析例を示していた。今回取り上げた本は、まずビデオゲームを分析するにあたって必要な様々な概念や定義をしっかりと見直し再構築したうえで、どのような分析を行えるかの理論的な枠組みを与える物であった。たしかにこの書籍内では様々なゲームを取り上げるが、あくまで分析にあたって必要な諸概念を整理するために例として挙げるにとどめた印象だった。

ビデオゲーム自体は盛んにプレイされ、RTAのような文化もあるが、ゲームの面白さを分析するのはこれからの分野なのかもしれない。しかし、静的なコンテンツの分析すら大変なのに、インタラクティブなゲームの分析をするのはなかなか骨が折れそうだとも思った